三年前の今日、うちの猫が旅立った。

朝からなんとなく落ち着かなくて、写真を見返していた。いつもなら窓辺で丸くなっている時間だな、とか、冷蔵庫を開けると足元に来ていたな、とか。家の中のあちこちに、まだあの子の気配が残っている。

拾った日のことは今でもよく覚えている。小さくて、汚れていて、声だけは大きかった。最初は警戒していたくせに、数日もすると膝の上で眠るようになった。帰宅すると玄関まで迎えに来て、機嫌がいいときは短く鳴いた。あの声を聞けるだけで、一日の疲れが消えた。

三年は早すぎる。もっと一緒にいられると思っていたし、いなくなる日なんて考えたくなかった。最後の夜、苦しそうなのにそばにいてくれて、撫でると少しだけ目を細めた。あれが「ありがとう」だったのか、ただ眠かっただけなのか、今もわからない。

いなくなってから、何度も名前を呼びそうになる。写真を待ち受けにして、たまに話しかけてしまう。泣かずに過ごせる日も増えたけれど、ふいに涙が出る日はまだある。それでいいのだと思う。好きだったぶんだけ、寂しさも残る。

短い時間だったとしても、温かい家で暮らせたこと、毎日かわいいと思ってもらえたことを、あの子も覚えていてくれたらいい。自分が幸せにできたのか不安になるけれど、最後まで大好きだった。その気持ちだけは、これからも変わらない。

どこかで元気に走り回っていてほしい。もしまた会えるなら、今度はもっと早く抱きしめたい。今日は少しだけ泣いて、あの子の好きだったおやつを供えて、ゆっくり眠ろうと思う。猫はずっと、私の伴侶だった。