夏コミの時期になると、毎年この話をしている気がする。真夏の東京で、何万人もの人が同じ場所に集まり、長時間並び、屋外で待機する。救護室が埋まったとか、暑さで体調を崩したとか、徹夜組が問題になったとか、そういう話は以前から出ている。それなのに、はてなでは甲子園ほど強く批判されない。これは結局、ポジショントークなんじゃないかと思う。
もちろん、コミケに行ったことのない人が多いのは分かる。興味がなければニュースも見ないし、わざわざ口を出す理由もない。実際、「どうでもいい」「行ったことがない」で終わる人の方が普通だろう。だから、批判が少ないこと自体を、みんなが問題ないと思っている証拠にするのは違う。単に話題になっていないだけかもしれないし、参加者や関係者の意見ばかりが目に入っているだけかもしれない。
一方で、何でもかんでも中止しろと言うのも違う。参加者は基本的に自分の意思で来ているし、同人誌を作っている人や、作り手を応援するために足を運ぶ人にとっては、大切な場なのだろう。趣味のイベントを、外野が気に入らないというだけで消せと言う権利はない。山登りやロックフェスと同じで、危険や不便を承知で参加する自由はある。
ただ、「同好の士が集まる非営利の文化活動」という説明だけで、現実の規模や金の流れを無視するのは苦しい。企業ブースもあるし、大きな売上を得るサークルもある。主催者がいて、会場を借り、警備や救護を手配し、膨大な人数を動かしている。営利か非営利かという看板だけで、安全面の責任が軽くなるわけではないと思う。
徹夜組は減ったらしいし、リストバンドや入場時間の分散で、以前より改善された部分もある。会場の空調が新しくなるという話もある。それでも、屋外の待機列と真夏の気温は残る。午後入場でも長く待つことがあるなら、夏に無理をして開催する必要があるのか、という疑問は当然出てくる。
盆や年末でないとスタッフや会場を確保しづらい、という事情もあるのだろう。だが、規模を絞った開催や、春・秋の開催、夜間開催、会場分散など、検討できる案はありそうだ。別のイベントが同じ程度の規模で開催されているなら、真夏と年末にしかできないという説明も絶対ではない。
結局、コミケを聖域として扱う人と、何でも叩きたい人が互いに極端なことを言っているだけなのかもしれない。俺はコミケそのものをなくせと言いたいわけではない。ただ、好きな文化だからこそ、暑さや救急搬送や運営の透明性について、他のイベントと同じ基準で話せばいいと思っている。批判するなでも、やめろでもなく、続けるならどう安全に続けるかを考える時期に来ている。