経理部なんだけど、最近やたら調査票が来る。
賃金構造基本統計調査を事務所2つ分、経済センサス活動調査、高年齢者・障害者雇用状況報告、中小企業実態基本調査、毎月勤労統計調査。これをひとりで見て、資料を探して、Excelの方眼紙みたいな様式に入力して、期限までに提出する。
経理部とはいったい何なのか。決算、申告、請求、入出金、給与まわりに加えて、源泉所得税、住民税、社会保険、労働保険。そこへ行政から「ご協力ください」という封書が届く。協力という言葉のわりに、やらないと督促が来たり、場合によっては罰則が書いてあったりする。
確定申告や電子申告で、すでに似たような数字は出している。法人番号もある。決算書も財務諸表も税務署に出している。それなのに、また別のサイトにログインして、別のIDとパスワードで、似たような項目を最初から入力する。調査ごとに様式も違うし、どこまで正確に答えればいいのかもよくわからない。
しかも、会社の利益になる仕事ではない。正確に出しても誰かに褒められるわけではなく、間違いを指摘されれば「なぜ間違えた」と言われる。回答したところで、会社にも担当者にも特に見返りはない。ボールペンやクリアファイルをもらっても、たぶん虚しいだけだ。
中小企業の数字なんて誤差の範囲だから、できる範囲で出してもらえればいい、という話もあるらしい。それなら最初から、できる範囲で答えてくださいと書いておいてほしい。こちらは変な数字を出して電話で照会されるのも嫌だから、結局それなりに資料を確認してしまう。前年の回答をコピーして、増減を見ながら「こんなもんだろう」と調整している会社も多いと思う。
無作為抽出のはずなのに毎年来る調査もある。オンライン化されて少しは楽になったのかもしれないが、システムがいくつもあって、ログイン情報も統一されていない。紙が画面に変わっただけで、作業そのものは減っていない気がする。
年末調整だってそうだ。なぜ国の仕事を会社がやるのかと思う。従業員のために必要なのはわかるけど、税金の徴収や各種手続きまで民間企業が無償で引き受けるのが当たり前になっている。会社は税務署の出張所でも、役所の臨時職員でもない。
昔、職場に私物のパソコンを持ち込んで、MS-DOSや一太郎、Lotus 1-2-3を入れて業務を効率化したことがある。便利になったと喜んでいたのに、いつの間にか便利になった分だけ報告や入力項目が増えている。頼む側は一つフォームを作れば終わりだけど、頼まれる側は資料を集めて、確認して、入力して、保管するところまでやらないといけない。
せめて、電子申告したデータから行政側で集計できるようにしてほしい。調査をまとめて、提出先やIDを統一して、必要なものだけ一度で出せるようにしてほしい。調査に協力した会社には、法人税を少し安くするとか、事務手数料を払うとか、それくらいあってもいいと思う。
まあ、実際には適当にやっている。全部を完璧にやろうとしたら仕事が終わらない。概算で出せるものは概算で出すし、前年の数字を参考にして、明らかにおかしくない範囲で埋める。それでも忘れたころに照会の電話が来ることがあるので、そのたびに「適当でごめんなさい」と思う。
経理って、会社にとって大事な仕事のはずなのに、うまくいっているときは存在を忘れられて、何か起きたときだけ責任を問われる。調査票まで含めて一人で抱えていると、報われなさがすごい。
各種申告のタイミングで必要なデータを一回提出したら、あとは行政側で使い回してくれないかな。こちらはもう十分協力していると思う。