地名の「キラキラ」って、どこからがそうなのか考え始めると、きりがない。瑞浪や寧楽みたいに、昔からあるめでたい字の地名もあれば、平成の宅地開発で急に生まれた美しが丘、希望ヶ丘、光ヶ丘、奏の杜みたいなものもある。歴史の厚みがあるかどうかで印象はかなり違う気がする。
とはいえ、天王洲アイル、高輪ゲートウェイ、南アルプス市、つくばみらい市あたりは、聞くたびに少し笑ってしまう。たまプラーザやユーカリが丘、スウェーデンヒルズも、住所として書くと急にポエムの世界に入る。新三郷ららシティやピアラシティに至っては、地名というより商業施設の企画書みたいだ。
一方で、喜連瓜破、雲雀丘花屋敷、四天王寺前夕陽ヶ丘、野江内代、太子橋今市のように、漢字も読みも情報量が多すぎて、駅名を見るだけで楽しいものもある。お花畑、恋ヶ窪、天使突抜、女の都、猫地獄、鬼死骸なんて、RPGの地図にあってもおかしくない。倶利伽羅や時迫間も、何か重要なイベントが起きそうだ。
でも、地名はただの飾りではない。合併で「三和」のような無難な名前になることもあれば、災害や土地の記憶を覆うために、丘や台や光を足すこともある。由来を知らずに、キラキラしていて面白いね、とだけ言うのは少し危うい。蛇落地悪谷のような話も、史料を確かめないまま広まったりするし。
結局、好きなのは派手な名前だけじゃなく、台、福生、日暮里、吉里吉里みたいな、普通そうで妙に引っかかる名前だ。地名には、命名した人の願いと、隠したい過去と、後世の勝手な連想が全部重なっている。だから面白いし、住所を聞いただけで、その土地を少し歩いてみたくなる。