気づいたら「ブックマーカー図鑑」が3,000人を超えていた。最初に見たときは数百人もいなかった気がするので、増え方がすごい。はてな村というより、もう町と呼んだ方がいいのかもしれない。とはいえ、石の下をめくったらブクマカがぞろぞろ出てくる、という感じはまだ残っている。
図鑑は、公開されているブックマークや活動期間、頻出語、スター、投稿時間帯などを材料にして、ユーザーごとの寸評を作っている。自分のページを見に行くと、知らないうちに載っていた人、収録予定に名前だけあった人、何度申請しても落選する人、載っていなくて安心する人、載っていないことを少し寂しがる人がいる。自分から登録を申請した人もかなり多い。見に行っただけで申請扱いになる仕様については、ちょっとひどいという声もある。
私自身も収録されていた。何年はてブを続けているのかを見て、まず分析よりそちらに驚いた。十七年、十九年、二十年選手。そんなに長くやっていたのか。仕事中にしかブクマしていないことや、平日の昼間に巡回していること、朝から晩まで張り付いていることまで、活動時間のグラフで見事に可視化されている。生活リズムがばれるのは、内容を読まれるより恥ずかしい。
寸評は、思ったより褒めてくれる。ニュースや増田を巡回して、制度の雑さや生活とのずれを短文で拾うタイプ、というような説明だった。自分では意識していなかった癖を言葉にされると、なるほどと思う一方で、ずいぶん立派にまとめるものだなとも思う。もちろん、短文ツッコミ型、冷笑型、攻撃力の高い観測者、怒りがすぐ「バカ」「クソ」「死ね」に飛ぶ人、と書かれている人もいる。自分のページに強い言葉が並んでいるのを見て、反省した人も多い。
ただ、引用や反論のために使った言葉まで本人の発言として数えられてしまう問題はある。「そんな言葉は使うな」と批判しただけなのに、攻撃的な人物として分類されるのは納得しにくい。皮肉、パロディ、冗談、文脈もまだ十分には拾えない。頻出語に、本人が書いた覚えのない単語が燦然と輝いている例もあった。AIの分析は便利だが、その結果を人となりそのものだと思うのは危険だろう。
一方で、他人のページを読むのはかなり面白い。普段スターを付けてくれる人がどんな傾向なのか分かったり、村地図で自分がどの集団に近いのか眺められたりする。ランキングには高スター、固定客、罵倒語、うんこ、ちんちんなど、どうしてその項目を作ったのか分からないものもある。自分の名前が変なランキングに入っていると困惑するが、見つけるとつい笑ってしまう。
公開情報だから分析して公開してよいのか、という抵抗感も当然ある。ブコメは人に読ませるつもりで書いていない、という人もいるし、生活圏や職業、家族構成まで推測されそうで怖いという人もいる。非公開にする仕組みや、掲載拒否の方法があった方がいいという意見も出ている。
それでも、ブクマカは他人の記事や発言を好き勝手に論評してきた。自分が論評される側になった途端に許せないと言うのも、少し都合がいい。私は面白がって見てしまったし、刺さるところは刺さった。これからは「バカ」や「滅びろ」を少し減らそうと思う。たぶん、うんことちんちんは減らない。
3,000人分を集めて、読ませて、書き直して、更新している。API代や作業量を考えると、投げ銭くらいしてもいい仕事だと思う。はてな村の人別帳であり、公開された発言が別の角度から返ってくる鏡でもある。深淵をのぞいたら、深淵だけでなく、自分の生活時間と口癖までこちらを見ていた。