昔のアニメには、夏になると急に「○○音頭」が出てくる印象がある。ドラえもん、オバQ、アラレちゃん、パーマン、忍たま、ケロロあたりは、曲名を聞いただけで夕方の町内放送や、薄暗くなった公園の盆踊りを思い出す。敵と味方が普段はいがみ合っていても、その曲の間だけは仲良く輪になって踊るのもよかった。

ただ、「昔のアニメはほとんど音頭があった」というのは、さすがに記憶の補正が入っている気もする。長寿番組が多く、四クールや年単位で放送していたから、夏のEDやイベント向けの曲を作る余裕があったのだろう。今は一クールか二クールが中心で、主題歌も大型タイアップが基本。音頭を挟む場所がない。

それに、盆踊り自体も減った。昔は近所の祭りに家族で行き、子供が知っているアニメ曲が流れると、知らない子でも自然に輪へ入れた。今は保育園や地域の行事で、アンパンマン音頭やすみっコぐらし音頭が細々と現役なのかもしれない。大人の知らないところで新曲も作られていそうだ。

ルパン音頭はもちろん知っている。あれは三波春夫の声と、りんご飴や焼きそばの記憶まで一緒に蘇る、盆踊り向けの名曲だと思う。ポケモン音頭やピカチュウ音頭、ちいかわ音頭、フリーレン音頭など、今の作品でも作ろうと思えば作れるはず。ヒンメルなら、きっと踊る。

とはいえ、会場のすぐ横に住んでいる人からすると、昼過ぎから夜まで同じ音頭を二日間聞かされるのは、ほのぼのした思い出では済まない。新曲を望む人もいれば、もう一生分聞いたという人もいる。音頭は、夏の風景として残っているうちに、ほどほどの音量で楽しみたい。