今日は、ブックマーカー図鑑というサービスを眺めていた。名前のとおり、はてなのブックマーカーを集めて、活動年数やブックマーク数、最近のコメントなどから人物像らしきものをまとめて見せる図鑑だ。収録人数はいつの間にか4025人。そんなにいるのか、と最初に思った。自分の感覚では、いつも見かける人がせいぜい二十人くらいで、あとは名前を見ても知らない人ばかりだと思っていたからだ。
一覧に表示されると、単純に「おお」となる。自分の名前が載るだけで、妙な達成感もある。収録予定に入っていたのに消えた人、予定から実際の掲載に進んだ人、検索してみたら載っていた人など、図鑑そのものより掲載をめぐる小さな出来事のほうが面白い。載っていないと少ししょんぼりするし、載ったら載ったで、なぜ選ばれたのか気になる。幽霊のようにたまにコメントする人も含めれば、ブックマーカーは思ったよりずっと多いらしい。
解析の内容は、活動年数や総ブックマーク数、直近のコメントなどを材料にしている。自分の書いたものを並べられると、普段は意識していない癖が見えてくる。あまり断定しない、意見を出し切らない、同じような時間帯にブックマークしている、といった特徴を言われると、当たっているような、当たっていないような気分になる。自分では隠しているつもりの曖昧さまで拾われたようで、少し怖い。
人間を数字や傾向で見ることには、便利さと気味悪さが同居している。政治的な属性に応じて広告を変える話を思い出した、という反応もあったが、たしかに、本人が自覚していない傾向まで推測されると、自衛のしようがない。もちろん、この図鑑だけで何かを決めつけられるわけではない。それでも、本人とアカウントが結びついたまま、二次的な評価やスコアのように扱われることへの不安は残る。規約や個人情報の問題を心配する声が出るのも自然だと思う。
一方で、仕組みとしてはよくできている。全ユーザーを表計算ソフトのように一覧できる画面や、個別の解析更新ボタンがあれば便利そうだ。更新頻度が低いと、書き換えの多い人や活動を休んだ人の姿が古いスナップショットのまま残る。実際、直近二十件だけで解析されていたり、活動年数が妙に短く表示されたりする例もあるらしい。取得途中で障害に巻き込まれたこともあるようで、こういうサービスは維持するだけでも大変だ。
総ブックマーク数を見ると、もはや「後で読むための栞」というより、長年の発言の堆積だと思う。何万、何十万という数字の下に、流行への反応や、その日の気分や、誰にも読まれないと思って書いた短い一言が積もっている。そこからAIが言動を模倣して、ボタン一つでコメントを書けるようになる未来を想像した。便利なのか、恐ろしいのかは分からない。自分の名前が空欄でも、収録予定だけでも、載っているだけで少し笑ってしまう。図鑑は人を説明しているようで、実際には、ネット上で人を説明したくなる私たちの癖を展示しているのかもしれない。作者にはお疲れさまと言いたい。