「人がたくさん死ぬ映画」といっても、画面の外で何十億人死んでいるとか、設定上ほぼ全滅しているとかではなく、できれば実際に人が死ぬところがたくさん映っている映画。モブが爆発で一瞬に消えるより、名前のある登場人物がそれぞれ別の理由と死に方で死んでいくほうが好き。できればリアルで痛々しさがしっかり伝わるやつ。

というわけで20本。順番は適当。

1. プライベート・ライアン 冒頭のノルマンディー上陸。上陸して数分で人がどんどん撃たれて、海の中でも浜でも死ぬ。戦争映画の大量死としてはやっぱりこれが基準になると思う。

2. ブラックホーク・ダウン ひたすら撃たれて、落ちて、運ばれて、また死ぬ。米兵側の描写が中心なので、ソマリア側の死者数を考えるとさらに重い。

3. スターリングラード(1993) 暗い、寒い、汚い、そして人が死ぬ。戦場に人間を投入しているだけみたいな場面が多くて、プライベート・ライアン冒頭に負けない迫力がある。

4. 西部戦線異状なし 戦列歩兵が機関銃と砲撃に突っ込んでいく。兵士が消耗品みたいに倒れていく映画で、死者カウントをしたくなるタイプ。

5. ハクソー・リッジ 後半はずっと人が撃たれるか、爆発するか、切断されるかしている。足元や肉体の壊れ方を見せてくるので、とにかく痛い。

6. フューリー 戦車戦なのに歩兵が普通に戦車へ突っ込んできて、機銃でばたばた死ぬ。道端の死体を戦車が踏み潰して進むところも、戦争における死の軽さが出ている。

7. ランボー4 ランボーシリーズの中でも特に人が壊れる。重火器でまとめて吹き飛ばすので、死者数も描写の濃さもかなり上位。

8. ホット・ショット2 たぶんこの映画を真面目なランキングに入れていいのかは分からないが、死者数はすごい。弾を手でばら撒くだけで人が死ぬし、殺し方がいちいちバカ。

9. ファイナル・デスティネーション 人が死ぬというより、死ぬまでの工程を見せる映画。日常の道具や偶然が全部殺人装置になるピタゴラスイッチで、死に方の種類が豊富。

10. バトル・ロワイアル 参加者が一人ずつ減っていくので、個々の死に場面がちゃんと印象に残る。集団がまとめて死ぬ映画とは違う良さがある。

11. キル・ビル 刀で斬られる人数が多い。痛そうなのにどこか漫画的で、血が出すぎて逆に現実感が薄れるタイプの大量死。

12. キングスマン 教会の中で人がものすごい勢いで死んでいく。『威風堂々』に合わせて殺戮をショーとして見せるので、爽快ではあるけれど相当ひどい。

13. アウトレイジ 銃、刃物、拷問、車、ラーメン屋。人が死ぬ場面がいちいち具体的で、人数以上に「この映画、人を殺すな」という印象が残る。

14. ナチュラル・ボーン・キラーズ 殺人が連鎖していって、画面の中の人間関係がどんどん死体に変わる。悪趣味だけど、殺人を娯楽として消費する感じも含めて強烈。

15. タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら 殺人鬼だと思われた二人が、何もしていないのに若者たちを次々と死なせてしまう。死に方は派手だが、本人たちが困惑しているので笑える。

16. 十三人の刺客 集団戦の殺陣が長くて、斬って斬られてひたすら死ぬ。時代劇の人死にとしてはかなり満足度が高い。

17. はだしのゲン 実写でもアニメでも、原爆によって人が一気に死ぬ。子どもの頃に見たら忘れられないし、今見ても数の問題ではない怖さがある。

18. 沈黙 人がたくさん死ぬというより、死ぬ場面の一つ一つが重い。量ではなく質のほうで入れた。軽い気持ちで人死にを楽しむ映画ではない。

19. ドント・ルック・アップ 彗星が来て人類が滅亡するまでを、妙に日常的なテンションで描く。爆発で終わりではなく、分かっているのに何もできないままゆっくり死ぬのが良い。

20. アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 指を鳴らしただけで全宇宙の半分が消える。人数だけならたぶん最強だが、実際の死の描写が多いわけではないので最後に置いた。

こうして見ると、結局は戦争映画と殺人映画が多くなる。惑星が壊れて何十億人死ぬのもいいけど、個別の人間が画面の中で「あ、死んだ」と分かるほうが、死の実感はある。量と質、モブの死と名前のある人物の死、どこに重みを置くかでランキングはかなり変わりそう。