40も過ぎると、独り身で賃貸を借り続けるのがだんだん難しくなってくるんじゃないか、という話を最近よく考える。

今の部屋にずっと住み続けられればいいけど、家賃が上がったり、建て替えで退去を求められたり、仕事や体調の都合で引っ越さなきゃいけなくなったりすることはある。そうなった時、保証人になってくれる人も、緊急連絡先を書ける人もいない。

親が元気なうちはまだ何とかなる。けれど、親もいつまでも生きているわけではない。兄弟姉妹がいたとしても、みんな同じように年を取る。保証人は60歳まで、と言われたら、そのうち兄弟にも頼めなくなる。保証会社を使えばいいという話もあるけど、保証会社にも審査があるし、緊急連絡先は必要だったりする。保証人不要と書いてある物件でも、大家の判断で断られることはあるらしい。

40歳の今すぐ困るわけではないと思う。実際、収入があって保証会社を通せば借りられるだろう。ただ、年を取ってからは、借りられるかどうかだけではなく、借りられる物件の中から選ぶしかなくなる。駅から遠い、古い、狭い、好きな場所ではない。大家からすれば、独居の高齢者は孤独死や家賃滞納の心配があるので、避けたくなるのも分かる。

自分が大家だったとしても、身寄りのない高齢者に貸すのは怖いと思う。亡くなった後の荷物の処分や、部屋の修繕、誰に連絡すればいいのかという問題がある。生活保護ならケースワーカーが定期的に来るから、まだ安心という話もあるけど、そこまでしてようやく借りられるというのもつらい。

買える人は中古マンションでも買っておいた方がいいのかもしれない。でも、今の勤務地に住み続けられる保証はないし、ローンを組んだら組んだで金利や収入の不安が出てくる。永住したいわけでもないのに、住む場所を失わないために家を買うのは、なんだか変な話だ。

それより先に、親が死んだ時のことを考えないといけない。相続や実家の処分、口座や契約の整理。親のためにエンディングノートを探していたら、これは自分が書いておくべきものではないかと思って、自分用にも買った。遺影、死んだことを知らせる友人の一覧、各種アカウント、葬式や火葬の希望。書き始めると、思ったより書くことが多い。

同級生とも、もうほとんど連絡を取っていない。誰が生きていて、誰が亡くなっているのかも分からない。昔は仲が良かった人たちも、転職したり結婚したり、病気になったりして、それぞれ別の人生になっている。

まだ40だし、今すぐどうこうなるわけじゃない。保証会社もあるし、保証人代行のようなサービスもある。人口が減れば空き家も増えるだろうから、住む場所だけなら何とかなるのかもしれない。

でも、「何とかなる」と思っているうちに、親がいなくなり、体が動かなくなり、頼れる人もいなくなる可能性はある。うっかり死ぬ準備だけではなく、うっかり長生きしてしまう準備もしておかないといけない。とりあえず今の部屋に住める間は住み続けて、親と話せるうちに、死んだ後のことも少しずつ聞いておこうと思う。