S&P500の平均年リターンが7%くらいあるなら、わざわざ不動産を買って、空室や滞納や修繕やらに悩む意味ってあるのか?と思ってしまう。

株ならネット証券で買って、基本的には放置できる。売りたいときはすぐ売れるし、物件を見に行ったり、不動産屋や管理会社とやり取りしたり、入居者のトラブルに対応したりする必要もない。新NISAの枠内なら税金の面でもかなり有利だ。

もちろん不動産には、不動産にしかないメリットがある。銀行が融資してくれるので、自己資金1000万円で1億円の物件を買うようなレバレッジが効く。家賃でローンを返済していけば、他人のお金で自分の資産を増やせる。減価償却や経費、損益通算で節税できる場合もあるし、相続税評価額を下げる目的で持つ人もいる。自宅なら住宅ローン減税や団信もある。

ただ、それはもう投資というより事業だと思う。物件の目利き、地域の需要、金利、修繕費、税務、法律、入居者対応まで考えないといけない。良い物件は昔からの地主やプロの業者が押さえていて、素人に回ってくるのは何か理由のある物件かもしれない。特に高金利で借りて、家賃収入だけを頼りに返済するのはかなり怖い。

株にも信用取引や証券担保ローンはあるけれど、普通のインデックス積立と比べれば、不動産の借入は規模も責任も違う。空室になった瞬間にローンが消えるわけではないし、売りたいと思っても株のように一瞬では売れない。

だから、十分な資産や信用力があって、税金対策や相続、ポートフォリオの分散まで考えてやる人には意味があるんだろう。自分でリフォームして売るとか、土地を持っていて建物を建てるとか、知識と経験があって不動産業として取り組む人もいる。

でも、サラリーマンが営業マンに勧められて、よく分からない新築ワンルームをローンで買うのは、投資というより危ない副業に見える。現金しか使わないなら株のほうが楽だし、REITやREIT投信で不動産を組み入れる方法もある。

結局、不動産をやっている人が全員おかしいわけではなく、株と不動産では目的が違うということなんだと思う。リターンだけを比べればS&P500が魅力的に見えるが、融資、節税、所有感、相続、事業としての面白さまで含めれば、数字だけでは決まらない。

とはいえ自分は、物件の修繕で夜中に呼び出される趣味より、毎月インデックスを買って寝ているほうを選ぶ。