通勤電車で、30代くらいの女性のカバンに、ちいかわの大きめの人形が三つぶら下がっているのを見た。ひとつならキーホルダーや目印の範囲だと思うけど、三つともなると、さすがに「30代でカバンに人形を付けるの、普通なのか? 恥ずかしくないのかな?」と思ってしまった。

もちろん、本人にやめろと言いたいわけではない。人に迷惑をかけていないなら、何を身につけようがその人の自由だ。私がそういう装飾を好きではない、みっともないと感じる、というだけの話である。おっさんの短パンからすね毛が丸出しなのを若い人が気持ち悪いと思うのと同じで、そう感じる人がいることまで否定する必要はないと思う。

……と書いたら、思った以上に「他人の趣味にケチをつけるな」「普通という言葉で少数派を異常扱いしている」「恥ずかしくないのかな、は否定そのものだ」と言われた。たしかに、タイトルからして同意を求めるような書き方になっていたし、「みっともない」という言葉は単なる内心の感想ではなく、相手への評価として外に出ている。本人に直接言っていないから無害、というものでもないのだろう。

昔なら、大人がキャラクターの人形を持ち歩くのは子どもっぽいという感覚がもっと強かった気がする。でも今は、ちいかわに限らず、ポケモン、サンリオ、ディズニー、ミャクミャク、推しのぬいぐるみなどを付けている人を年齢や性別を問わず見かける。50代や60代の人が子どもや家族からもらったマスコットを大事に付けている、という話もあった。好きなものを好きだと言える時代になった、と考えれば悪い変化ではない。

それに、カバンの目印になるし、子どもとの会話のきっかけになるし、疲れたときに見ると少し元気が出る、という実用的な理由もあるらしい。汚れや落下、混雑した場所で他人に引っかかることには気をつければいいだけだ。

追記。私は自由を認めた上で、自分の美意識としてそう思っただけで、付けている人を否定したつもりはない、と書いた。でも「恥ずかしくないのかな?」と問いかけておいて否定していないと言うのは、かなり無理がある。批判する自由があるなら、その批判を批判される自由もある。結局、普通かどうかを気にしていたのは、見かけた人より自分のほうだったのかもしれない。今後は他人のカバンではなく、自分の好きなものでも探しておく。