ニュースを見た。家族でUSJに行った帰りか何かで、子どもを含む家族が事故に巻き込まれて亡くなったという話。運転していた人にも事情はあるのかもしれないけど、亡くなった側からしたら、ただ楽しい旅行の一日が突然終わっただけなんだよな。
でも、正直に言うと、家族でUSJに行けるような人たちに同情しきれない自分がいる。45歳、就職氷河期世代。まともな仕事に就けず、結婚もできず、子どももいない。旅行に行く家族を見ても、自分とは別の世界の住人に見える。
入場料だけで5人分4万円とかするらしい。そんな金を気軽に払って、子どもを何人も連れて遊びに行く。家を買ったり、休日に家族で出かけたり、そういう「普通」を普通に持っている人たちを見ると、いい身分だなと思ってしまう。
もちろん、事故に遭った人たちが悪いわけではない。そんなことは分かっている。分かっているけど、幸せそうな家族が不幸になったニュースを見て、そこまでかわいそうだと思えない自分もいる。むしろ、最初から何も持っていない自分のほうが、失うものがなくて気楽なのではないかと思うことすらある。
同世代には、結婚どころか恋愛もできず、非正規や空白期間のまま年を取った人がたくさんいる。国は少子化対策だの子育て支援だの言うけど、そこに届く以前に、誰かと付き合うところまで行けなかった人間はどうすればいいんだろう。金の問題だけではないと言われても、じゃあ何の問題だったのか、自分でもよく分からない。
上の世代は景気のいい時代を生きて、下の世代には自己責任だと言う。自分たちは何も持てなかったのに、普通に家庭を持っている人たちを見ると、同じ国に生きているのに別のゲームをやっているような気持ちになる。
だから、こういうニュースを見ても、被害者だからといって無条件に同情できない。幸せだった人が不幸になっただけだろ、と思ってしまう。
たぶん、こんなことを書いたら叩かれる。事故の被害者を非難するなんて人間として終わっている、と。でも、終わっているのは自分の人生のほうだ。家族もいない、思い出も少ない、これから増える予定もない。人の幸せを祝えないまま、他人の不幸にだけ平静を装っている。
氷河期世代だから仕方ない、と言いたいわけではない。けれど、仕方ないと言わなければ、自分が何もできなかったことを全部自分のせいにするしかなくなる。そうすると、ますます何もしたくなくなる。
家族旅行に行ける人たちは、どうかその幸せを大切にすればいい。自分には関係のない世界の話だ。